マイクロファイナンス

海外で奮闘する日本人元金融マン

当サイトに訪問してこのコラムを読んでおられる方は、基本的にお金を借りる側だと思います。

現在の日本では、土地や家を担保に大口のローンを組むことができます。小口のローンにいたっては、キャッシングやカードローンのように、無担保で借りることができます。

住所や保険情報などさえ持っていれば、大抵のひとがお金を借りられます。もちろん、銀行やキャッシング会社で、情報の共有をしていることが無担保で融資ができる一つの根拠となっています。また、それぞれの会社が独自の融資ノウハウがあるので、その人がどのような人であるかおおよその予測が付けられ、融資ができるのです。

もちろん、信用が低い人(過去に破産した人など)や、住所不定の人にお金を貸すことはしません。

その「信用」というものを図る一つの指標を「送金履歴」を利用した新しいローンをアメリカで開発した日本人が、枋迫篤昌さんという方です。

昨年NHKのETV特集「小さな金融が世界を変える アメリカ発 元銀行マンの挑戦」を拝見し、この方とその面白い無担保ローンを知りました。

枋迫篤昌さんは、27年間銀行マンとして働き、その内の12年を中南米で勤務。その中で、中南米の圧倒的な貧困を目の当たりにし、なんとかその状況を変えたいと思ったそうです。その熱い思いと持てる資金と知識を投入し、独自の金融システムを創り上げたそうです。

枋迫篤昌さんのアメリカの中南米移民や出稼ぎ労働者のために創り上げたサービスには、2つの特徴があります。一つは、手数料が相場の半額程度の海外送金サービスです。アメリカには銀行口座を持てない多くの出稼ぎ労働者や移民がいるのですが、その方たちは母国の家族にお金を送る際に、手数料が高い銀行以外の送金サービスを利用せざるおえません。そのような方たちを支援するために、インターネットを利用した送金システムを構築し、手数料を業界の半額程度に抑えたそうです。

2つ目のサービスは「国境越えローン」と呼ばれるもので、アメリカ国内の送金者の送金履歴を信用情報を担保とし、送金者の家族がローンを組めるようにしたサービスです。母国でローンが組めない方を、アメリカ国内の家族や送金者の信用で貸付を行うという新しいローンのシステムを構築しました。

お金を貸すことで、貧困からの脱出を促したいという、熱い思いに感動を覚えたと同時に、これは世界中の貧困地域で応用できるサービスで、これから世界中に広まるのだろうと思います。

マイクロファイナンスはボランティアのように与えるだけという一方向の関係ではなく、借りる側も貸す側もお互いに利益が得られる、真の意味での自立支援の方法とも考えられています。